平成24年4月例会
2012.04.01 Sunday
大河ドラマがより面白く! 琵琶の弾き語り「平家物語」
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり……。
『平家物語』は、清盛をはじめとする平家一門の興亡と、人の世の有為転変を綴り、胸に迫ります。この軍記物語は琵琶法師の語りによって広く大衆の間に浸透していきました。
このたびは筑前琵琶の女性奏者・石川旭一(いしかわ・きょくいち)さんをお招きし、『平家物語』の弾き語りに耳を傾けます。平家の都落ちから壇ノ浦での滅亡にいたるまで、ハイライトシーンを選んで演奏。物語の内容や琵琶の魅力などトークも織り交ぜながらのライブです。
今では信じられませんが、明治から大正まで琵琶演奏はあらゆる音楽の中で最も人気がありました。筑前琵琶が生まれたのも明治20年代です。しかし、現在、琵琶の音色を生で聴く機会はほとんどありません。
そこで石川さんのもとには、珍しさも手伝って演奏依頼が舞い込んでいます。
古来の邦楽をもっと身近に感じてほしい――石川さんの願いです。夢は、風に誘われるように旅に出て、つわものどもの夢の跡で琵琶を奏でること。「琵琶は人生の伴奏(走)者」という石川さん。そのひたむきな姿勢にも学びたいものです。
※メモ:楽琵琶(雅楽)・平家琵琶は水平に寝かせて弾くが、薩摩琵琶・筑前琵琶は立てる形で演奏。
薩摩も筑前も撥は扇形だが、筑前のほうが狭い。絃は筑前が5本で、薩摩より1本多い。
曲風は薩摩の勇壮に対し、筑前は華やか。
記
<演奏・語り>
筑前琵琶・日本橘会教授 石川 旭一さん
広島市中区在住。
昭和48年、薬研堀に小料理店を開く。座敷があることから, 芸事の一つでも、と小唄を始める。
平成3年、広島市公会堂(当時)で開かれた 邦楽発表会で初めて琵琶に出合う。「ドーン」と体に衝撃が走る。以来、その奏者・ 板谷旭邑さんのもとに通い詰める。
平成8年、夫を亡くす。そのとき孤独な心を 慰めてくれたのが琵琶だった。
平成14年ごろから出張演奏を開始。結婚披露宴、船上、公民館、寺社、学校、デイサービス……。リクエストはさまざまな所からくる。
今後、子どもたちに琵琶を弾く楽しさを伝えていきたい、と意気込む。
<日 時>
4月18日(水)19:00 〜 お話は8時まで、その後は懇親会。
<場 所>
ステュディオ・グリオット
広島市中区八丁堀11-13 八丁堀アロービル5F(東急ハンズ裏)