平成22年12月例会
2010.12.01 Wednesday
パンフルートに魅せられて
日本では馴染みの少ない「パンフルート」
しかし、その起源は古く、数千年前にギリシャで演奏されていたそうです。
そのはじまりは、ギリシャ神話に基づくもので、半獣半人の神「パン」が水の妖精「シュリンクス」に恋をしますが、受け入れることができない「シュリンクス」は「パン」から逃れようと、水辺にある「葦」に姿を変えてしまいます。
「シュリンクス」を見失った「パン」が手にしたのが、水辺にあった一束の「葦」。
それを束ねて笛を作り、シュリンクスのことを思い、吹き続けた…といういい伝えがあるようです。
起源はこの他にもあるようですが、日本にはシルクロードを伝わってきたとも言われています。
又、ルーマニアでは、羊飼いが吹いていたようで、民族音楽として伝わり、演奏技法が発達したのは、ルーマニアだとも言われています。
呼び名も「パンフルート」「パンの笛」「パンパイプ」「シュリンクス」「ナイ」など、国によって様々。
そんなパンフルートの様相は?葦の茎を並べて作られた、シンプルな形。
パイプオルガンを想像して頂いたらわかりやすいかも?!
何とも素朴な構造ではありますが、その中に秘められた、優しくかつ力強い音色は、聞く人を魅了させます。
今回は、そのパンフルートの限りない魅力に迫ってみます。
講師は、広島大学教授の中村純先生です。
中村先生は、海外大学勤務の時に出会ったパンフルートの何とも不思議な深い音色と表現力に感動し、J.ムルク氏に師事。
現在は、パンフルート普及を目指し、国内各地で演奏されていらっしゃいます。
演奏はもちろん、由来や、楽器のこと、普及活動についてお話を頂きます。
クリスマスや一年の締めにふさわしい、お話と演奏でお楽しみください。
記
<講 師>
広島大学情報メディア教育研究センター
教授 中村 純(なかむら あつし)さん
早稲田大学から大学院に進まれ、早稲田大学大学院理工学研究科物理及び応用物理学専攻終了、理学博士となられました。
その後、同大学の勤務を経て、イタリア、スイス、ベルリン、ハイデルベルクなど海外の大学での勤務をされ、
帰国後は、早稲田大学、山形大学と勤められ、現在は、広島大学にご勤務されていらっしゃいます。
パンフルートは、1990年より演奏法を、スイスのJ.ムルク氏に学ぶ。
その後、世界的にも有名な、コーネル・パナ、ニコラ・ピルブー、ヨルク・フライ氏に師事。
現在、パンフルート普及のため、国内各地で演奏活動する傍ら、パレスチナの子供たちの音楽教育支援グループのパンの笛大使として、パレスチナ訪問演奏も行っていらっしゃいます。
又、2008年より、国内唯一の大学のパンフルート同好会を結成。
パンフルート普及のため、幅広く活動されていらっしゃいます。
<日 時>
12月15日(水)19:00 〜 お話は8時まで、その後は懇親会
<場 所>
ステュディオ・グリオット
広島市中区八丁堀11-13 八丁堀アロービル5F(東急ハンズ裏)